お勉強diary

心理学関連の通信教育、学会、書籍等の感想を書いて行きます。

臨床心理学特論(’17) 01

授業メモ:

2018年から公認心理師ができるが、2016年の資料作成時点での臨床心理士について述べる。

医学と臨床心理学の違い
医学:
診断と治療

臨床心理学:
診断というより心の問題の見立て
・文学的、物語的認識が必要となる

心理療法とカウンセリングの違い
・歴史が違う
・欧米では習得ルートも違う
・カールロジャースが心理師のカウンセリングを説いた
・今後は心理カウンセリングは専門性が必要になる
・カウンセリングではアセスメント→傾聴が必要
・「患者の世界を共感的に理解する」ロジャース

臨床心理学は物理学をモデルにしている
・感情や欲求などは物質的に計測することができない
・近年は数値化に抵抗がない人が多い
・投影法の心理療法では、全体的傾向を勘案すると人によって判定結果異なる事になる
・現在心理療法、その後の治療の参考(基礎)とすることが多い
・「テストバッテリー」が普通になっているが、もともと各分野に特化したテストの組み合わせであり、その特性を理解し組み合わせて行かなければならない。
→問題を把握し、解決を導くのに必要な情報を引き出すテストでなければならない
→患者の”インフォームドコンセント”にも必要

臨床心理学の位置付け
・狭義の物理科学とは異なる
戸川幸夫「臨床心理学論考」応用心理学ではなく、独立した理論
基礎心理学とは本質的に異なる
・臨床心理学での課題を基礎心理学をもって解いて、臨床心理学へ戻す、協働アプローチが必要
→ドグマ化しないことが重要

エビデンスベースドアプローチの賛否
エビデンスベースドは、患者・行政には良いかもしれないが、アプローチが必ず効く訳ではない
・多くの治療理論は事例の積み上げで出来上がっており、
・4次元のアセスメント
 患者のアセスメント,発達的課題を見る,ケースフォーミュレーション,問題因子の特定
 →どの次元から介入するのが良いのか患者と話し合う
 問題の外在化
 関心相関性
  西條剛央が提唱

(紙資料に条件)

・心理職は新しい仕事。職能団体などを通じて、臨床心理士の研修制度、更新制が世間に対して普及を促してきた
・一人前になるには10年以上の研鑽が必要だと感じる

倉光先生と加藤先生ではニュアンスが微妙に異なるが、異なる学派を否定せず、共通点を見つけてまずは自分に合う学派を中心に学び、広げて行くのが良いのではないか。